ごあいさつ

半藤先生 写真
  大学は、学問の場である。学問とは真理の追究である。学問の研究分野は多岐にわたるが、どのようなものであるにせよ、基本は世のさまざまな真実を見極めんと、それぞれの方法を用いて叡智を尽くすことにある。いわゆる実学の分野にあっても、学問であれば単なる運用のための知識・情報に留まらず、それが如何なる価値であるのかを追い求めるものでなくてはならない。学問たる実学は、決してマニュアルではない。

熊本県立大学は、熊本県における学問の拠点として、また、県が設置者となる唯一の大学として、その使命を自覚し、人文・自然・社会の各研究分野の基礎的研究とともに、その応用と活用をめざし、地域を志向した様々な取組みを行ってきた。その成果でもあろう、平成26年度には高い競争倍率の中から文部科学省「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に採択されたが、これは熊本県立大学への期待が社会的に高いことを意味するものである。

「COC事業」の主眼は教育改革であり、学生にとって大学での学びが社会の期待に適うものであるよう、大学当局に対して自発的な検証を促すものである。熊本県立大学は、従来の「もやいすと育成プログラム」を発展、充実させることを目途に「『もやいすと』育成と産官学民の対話と恊働で拓く地域の未来」というテーマを掲げ、全学必修の地域志向科目(もやいすとジュニア、もやいすとシニア)を27年度に開講し、学生に求められる課題解決に向けた実践力を高める教育の徹底化に着手している。教員に向けては新たな研究支援スキームを設けたことで、地域課題をテーマとした研究や社会貢献活動に対する関心が従来に増して高まってきている。さらに、地域との連携を高めるために着想した「もやいすとフューチャーセンター」は熊本県内におけるフューチャーセンターの嚆矢として注目され、対話を通じた地方創生の一手法として各自治体等への波及を見せ始めている。我々は今後も地(知)の拠点化にふさわしい歩みを着実に進めていかなければならないと考えている。

熊本県立大学への理解が進み、地域からの一層のご支援を頂けるよう、今後とも「COC事業」を着実に前進させていく所存である。

平成28年4月

学長 半藤 英明